会報aile73号(2010年5月号)
LOHAS Love LOBAS~もしまちが、地域想いのビジネスであふれていたら。~
開催概要
2010年2月11日 名古屋国際センター
【協力団体】
三州フルーツ工房/GOEN農場/社会福祉法人あじさいの会/NPO法人すみれ/企業組合山仕事創造舎/コミュニティ・ユース・バンクmomo/風の交差点 風“s/NPO法人伊賀の伝丸/NPO法人あっとわん/NPO法人中部リサイクル運動市民の会/株式会社鶴田商会環境事業部エコブランチ/NPO法人電気仕掛けの仕事人/ビッグイシュー名古屋ネット/株式会社BIO/株式会社にんじん/NPO法人レスキューストックヤード
LOHAS Love LOBAS~もしまちが、地域想いのビジネスであふれていたら。~
定員いっぱい、100名のご参加をいただいき、大好評のうちに幕を下ろしたこのイベントですが、当日参加できなかったみなさんとも、その一部を共有すべく、レポートしてみたいと思います!
◆幻の島・LOBAS島、現る
このイベントは会場を「幻の島・LOBAS島」に見立てて、ひょんなことからLOBAS島に上陸してしまった旅人が島の中をめぐるという体験型アトラクション形式。
LOBAS島には、地域想いのビジネスを営んでいる16のお店、島の情報が集まる情報センター、“生きている本”が借りられる図書館、起業体験のできる起業支援コーナーなどがあり、参加者はたくさんの出会いや交流を楽しんでいらっしゃいました。
◆日めくりカードをめくって、1日がスタート!
また、この島でのみ使える独自通貨「BAS」が一人30,000BAS配布されました。
パスポートとお金を手に、まず向かう場所は「時の番人コーナー」。ここは、LOBAS島での時間をつかさどる場所。日めくりカードをめくり、「チョイス」が出れば自分の好きなコーナーに遊びに行くことができます。
◆LOBAS島の地域想いのビジネス
お店では、交流するだけではなく、買い物もできます。今回は独自通貨BASで“商品カード”を購入する形式で、説明をする方も聞く方も熱心にやりとりをしていました。
◆転機カードという仕掛け
転機の一例をご紹介しましょう。「島で土砂崩れ発生!道路閉鎖!」という転機が起こった場合、防災マークや林業マークのある商品カードを持っていれば、ダメージを回避できます。なぜなら、日ごろの防災活動や森づくりで被害が最小限に止められたから。逆に持っていないと、その場で500BASを支払わなければなりません。地域想いのビジネスを支えることが地域の転機をよい方向に向かわせるひとつの力になる。そんなことを感じていただけたらとの想いをこめてつくった仕掛けでした。参加者のみなさんも、その想いは十分に受け止めてくださったよう。「今の自分に直接関係がない事業でも、わたしたちの未来を創っていくためには大切なものなんですね」といってくださった参加者のお一人の言葉が今も胸に残ります。
◆生きている本が借りられる!?
LOBAS島の中でも特に人気のあったコーナーのひとつが図書館。そこでは、「LOBASな人々」が本として貸し出され、20分間対話ができるのです。本になったのは、現在各界でご活躍の方ばかり。あっという間に予約がいっぱいになりました。普段なかなか聞くことのできない貴重な体験談や想いを間近で聞くことができる機会として、十分に活用いただけたようです。
その他にも、参加者がブースで働くことをコーディネートするハローワークコーナー、島の中での情報を集め発信する情報センターなどが開設され、大いに賑わいました。
◆LOBAS島から日常へ
その手紙の一節をご紹介します。
- 働くこととその意味、努力することの大切さ。多くのことを学ばせていただきました。
- いろいろなブースでお話を聞かせていただき、有意義な一時でした。それぞれのお店の方の情熱が伝わってきました。
- 一つ一つのブースが楽しくて聞き入ってしまいました。とても面白かったです。
- 今まであまり興味・関心がなかったことに触れることができ、視野も広がった気がします。
丸1日のイベントでしたが、参加者のほとんどが最後まで残り、LOBAS島の旅の余韻を楽しんでくださいました。
◆LOBASを終えて~LOBAS島は、わたしたちのすぐそばにある~
そんなわけで、とても盛り上がったLOHAS Love LOBAS。参加者のみなさんも、運営にご協力いただいた出展者や本になってくださったみなさんも、きっと終了後はくたくたになられたことと思いますが、たくさんの輝く笑顔に出会えたことは、わたしたち起業支援ネットにとって大きな喜びとなりました。
今回は、本当に多くのみなさんのお力をお借りして、このイベントを成功させることができました。心から感謝申し上げます。
そして、今回はご参加が叶わなかったみなさん!またいつかどこかに突如出現するかもしれないLOBAS島でご一緒できる日を楽しみにしています。
どう頑張ってもイベントには終わりがあり、その後からはじまる日常の営みこそがわたしたちの本当のステージです。イベントで感じた感動・感激は、それがどんなに大きなものであったとしても、時間とともに薄れていくことでしょう。ただ、きっとそれぞれの心の中に小さな種が蒔かれたことと思います。その種がゆっくりと育まれ、芽を出し、花を咲かせるとき…。わたしたちの日々の営みそのものが、LOBAS島になっていくのでしょう。
LOBAS島は、今も、わたしたちのすぐそばにあるのかもしれません。
取材・文/久野美奈子 写真/松原雅人(ケアプラン)